<解雇とは?>
解雇とは、使用者が一方的に労働契約を解約することを言います。これは、あくまで使用者が一方的に解約する場合であり、労働者が雇用関係を解消することに同意しているような場合は、合意解約となり、解雇には当たりません
<解雇の制限>
民法上、期間の定めがない雇用契約は、当事者がいつでも解約できると規定されております(民法627条1項)。
しかしながら、使用者が自由に解雇できるとしたら、労働者の生活は著しく不安定になります。
そこで、労働契約法上、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、労働者を解雇できないとされています(労働契約法16条)。
すなわち、使用者に解雇権があるといっても、正当な事由がなければ、解雇権濫用となり、解雇が無効になるわけです。
また、様々な法令においても、解雇できない場合が規定されております。
例えば、業務上の傷病による休業期間と及びその後30日の解雇(労基法19条)、公益通報をしたことを理由とした解雇(公益通報者保護法3条)、女性が婚姻、妊娠、出産、労基法65条の産前産後の休業を請求・取得したこと等を理由とした解雇(雇用機会均等法9条2項、3項、同施行規則2条の2)などは、法令で禁じられています。
<手続要件>
解雇をする場合には、少なくとも30日前に労働者に予告しなければならず、予告しない場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
これに違反すると、6月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰もかせられます。
<解雇の有効・無効>
解雇がなされる場合には、労働者義務の不履行による解雇、能力不足・成績不良、労務提供不能、業務命令違反等様々なケースが有ります。
解雇が有効となるか無効となるかは、具体的事案に照らして、様々な事情を総合的に考慮する必要があります。
もっとも、解雇が労働者に重大な結果をもたらすことに鑑み、例えば、労働者の義務の不履行については、解雇されてもやむを得ないような重大な違反である必要があり、また能力不足・成績不良については十分な教育を行ったり、配置転換をしたりなどといった解雇を回避するための措置を十分に行ったことが必要とされています。
<懲戒解雇>
懲戒解雇は懲戒処分の一環として行われる解雇です。
懲戒解雇が認められるためには、
① 懲戒事由及び懲戒の種類が就業規則に明定され、周知されていること
② 規定の内容が合理的であること
③ 規定に該当する懲戒事由があること
④ その他の条件を備えていること が必要です。
<整理解雇>
整理解雇は、人員整理を目的として行われる解雇です。
整理解雇が認められるためには、
①人員整理の必要性
②解雇回避の努力
③整理手続の適法性
④整理対象者選定の合理性 が必要です。
①については、経営危機といえる程の状態で、高度の必要性があることが
求められます。
②については、解雇をせずに済ませる手段を講じる必要があり、
例えば、配置転換をするとか、希望退職を募るなどの手段が講じられてい
ることが必要です。
③については、いきなり解雇を通達するということではだめで、
説明、協議が尽くされていることが必要です。
④については、生活への影響や会社への貢献が少ないこと等から、生理対象者と
して選定したことに合理性が認められることが必要となります。
<解雇をされてしまったら?>
解雇をされてしまった場合、まずは解雇の理由を特定する必要があります。
この点、使用者、労働者の求めがあった場合、退職の事由を記載した証明書を交付すべきとしており、解雇の場合には解雇理由を記載しなければなりません(労基法22条1項)。そして、この証明書は、解雇予告がされていれば、退職日の前であっても請求できます(労基法22条2項)。
特に、継続して働きたい場合には、早めの対応が大事ですので、この証明書を早めに請求すべきでしょう。
そして、専門家に相談するなどして、有効な解雇といえるのかを検討し、無効であると考えられる場合には、交渉、労働審判、訴訟などの手段の検討にはいるべきです。
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